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たつの市で赤トンボを増やそうという活動グループの活動状況を紹介しています。

平成22年度活動報告&講演会

2月27日(日)14時より平成22年度活動報告&講演会を開催しました。
その前に、講演して頂く国際トンボ学会会長井上清先生に、市内の活動拠点をご案内したことを
若干ご報告します。
朝、本竜野で先生をお迎えし、10時にまず新宮町篠首地区にご案内しました。
この地域は、たつの市内で比較的多くアキアカネが発見された実績のある地域です。その中でも
もっとも多くいた北側の山すそを見て頂き、次にその下の田んぼを見て頂きました。
その後、同じ新宮町の笹地区へ行き、ビオトープ2箇所をご案内しました。ここでは、藻が繁殖し
ているのでヤゴを飼育するにはそれらの藻は除去しないといけないとアドバイスを頂きました。
左側の2枚の写真は、篠首でのもので、右の2枚は笹の時の模様です。
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昼食後には、中垣内地区のトンボ池をご案内しました。
まず一番上にある池を見て頂きましたら、ナント、”ここはきっと青い赤トンボであるナニワトンボが
やってくる”と言われ、我々一同、大変驚きました。先生によると、こういう池で、樹木が水面に覆い
かぶさるように生えている処に生息するのだそうです。確かに、ここは昨年もハラビロトンボという珍
しいトンボもいましたので、期待して見守りたいと思います。それから、飼育カゴや飼育用の木枠も見
て頂きました。最後に、ここに来て頂いた記念に記念撮影をしました。ここでは、我々の飼育実験に大
変期待しているとのお言葉を頂きました。
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さて、本題の「活動報告&講演会」ですが、約30名でしたが、皆さん大変熱心に聞いておられました。
市役所からも田口副市長がお見えになり、我々の活動に市当局も関心を寄せて頂いているようです。
初めに、当会の副代表である片岡龍野コルク社長が先生のご紹介と開講のご挨拶を述べられ、続いて
小生(前田)が、1年間の活動内容をご説明しました。最後に次のことを申し上げました。
1,今年度(H22年4月)から民間団体として再スタート。来年度(H23年4月)は、まちづくり
  塾に応募することを検討。
2,4月にアキアカネの卵が孵化したかと誤解(ミジンコ)したが、顕微鏡を借りたので、今は卵を観
  察出来るようになり、幼虫の判定も可能になった。
3,芦屋の専門家・新村氏に孵化の指導を受けられるようになったので、今年こそ、“アキアカネの孵
  化”が成功するかも。
  ①まず、“試験管ベビー”を誕生させる。
  ②5齢幼虫ぐらいから中垣内のトンボ池でも飼育する。<餌となる“ミジンコ”の確保が課題>
4,さらに、アキアカネの羽化に成功したら、今後、生存率を少しでもアップさせる為、卵の採集を強
  化するとともに、水質検査も実施して、飼育に適した環境を探る。
次に、休憩時間を利用して、NHKのTVで放送された録画を見て頂きました。

そして、いよいよ井上先生の講演ですが、そのタイトルは、「赤トンボ、この郷土の誇りを世界に向けて
発信しよう!」というタイトルで、たつの市が三木露風の生誕地であることを意識された結果と思います。
その講演内容は、そのタイトルにふさわしい内容でした。以下は、先生から頂いた講演要旨です。
1.「赤とんぼ」は国際トンボ学会の学会歌
 ☆三木露風作詞、山田耕筰作曲の「赤とんぼ」は、ここ「たつの市」のアキアカネを露風が詠んだもの
  と考えられている。
 ☆その日本の歌「赤とんぼ」が国際財団国際トンボ学会の学会歌として、2年ごとに開かれる国際トン
  ボ学シンポジウムで歌い継がれてきている。

2,日本はトンボの国、赤とんぼの国
 ☆弥生時代の銅鐸にもトンボが刻まれており、トンボは古来豊作・豊穣のシンボルとされてきた。
 ☆2000年を超える「水田稲作」の歴史を持つ日本人は、水田・潅漑用水路・潅漑用溜め池など、トンボ
  の生息場所の近くで暮らしてきたので、トンボとの日常的な出会いが多かった。
  またトンボたちは蚊・ハエ・ウンカなどを食べてくれる「好ましい友だち」であったことも幸いして
  いる。
 ☆そんな中で作詞・作曲された「赤とんぼ」はだれでも知っている「愛唱歌」で、2005年1月に阪神間
  を襲った「阪神大震災」で倒壊した家屋からやっとのことで脱出した奥様が、家屋の下敷きで動きの
  とれないご主人に「赤とんぼ」を歌って励まし、21時間ぶりに救出されたことが朝日新聞で伝えられ
  ている。

3.日本はトンボの「生物多様性」の豊かな国
 ☆日本で記録されているトンボは218種(亜種を含む)で、全ヨーロッパ116種の2倍近い種が記録され
  ている。その中には「生きた化石ムカシトンボ」のように日本とヒマラヤだけという貴重なトンボも
  含まれている。
 ☆その中でもアキアカネやナツアカネなど、アカネ属の赤トンボは全世界56種中21種が日本で記録され
  ている。これは37.5%に相当し、まさに「日本は赤トンボの国」である。

4.アキアカネの一生
 ☆赤トンボの代表種アキアカネは初夏に低地の水田などで羽化し、未熟個体は夏の間涼しい山上で餌を
  食べて過ごす。秋風の立つ頃には成熟し、オスは腹部が赤くなり、低地へ戻ってくる。
  オス・メスはデートし、メスは腹端を刈り取りの終わった水田の水面や泥土の上に打ち付けて産卵す
  る。卵は冬を越し、翌春孵化して幼虫が育ち、初夏に羽化して山に登る。
 ☆羽化場所から山上まで数十kmから百数十kmも移動し、秋季に低地まで移動することは翅に印をつけて
  (マーキングという)再捕獲することによって各地で確かめられている。

5.アキアカネの激減地域と激減の原因
 ☆2000年頃までは夏山の山頂付近で「無数」といえるほどのアキアカネの群飛するのが見られ、また秋
  に多数が群れ飛んで摂食したり交尾・産卵しているのが各地で見られた。 ところが近年アキアカネが
  ほとんど見られなくなった地域が各地方にパッチワーク状に認められている。
  その状況については目下種々の方法で調査し、データが集積されつつあるが、近畿地方、中部地方など、
  各地方の中でも激減して実質上0という地域と、まったく減っていないという地域がモザイク状に隣接
  しているということが分かってきている。
 ☆「アキアカネはなぜ激減したか?」については生息地の減少、乾田化、温暖化が挙げられるが、これら
  は全国的な現象であろう。それ以外に一部の地方で使われている農薬が関係している可能性もあり、ま
  た乾田化の時期が関係しているという説もある。
 ☆2億年前に地球上に出現したトンボたちが、今滅びるか生き残るかの瀬戸際である。彼ら、人類の愛す
  べき友達を、残すのもわれわれ、減ぼすのもわれわれであろう。

下の写真が、講演中の一部ですがご紹介します。
下段の最後は、片岡副代表が先生にお礼を申し上げておられる場面です
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そして、最後に、皆さんに”アキアカネの卵の観察”をして頂きました。
特に今回は、1度で多くの人に見て頂けるよう、顕微鏡にテレビモニター接続して見られるようにしました。
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それから、講演後に次のような質疑応答がありました。
質問要旨;赤トンボが激減している中で、他地域からオスとメスを持ってきて卵を産ませて増やすことについ
     て、どう思われますか?
回答要旨;他地域から持ってくると、元々その場所にいた種と他地域の種と遺伝子が異なり、他地域からのも
     のが増えると元々いたものとのバランスが崩れてしまうので、好ましいとは思えません。

講演会終了後、これについて改めて先生にお聞きしました。
小生の質問;私達は宍粟市で捕獲した交尾体に卵を産ませて、たつの市で育てようとしているが、それは”他
      地域からの遺伝子”に該当しますか?
先生の回答;それは関係ない。なぜなら、宍粟市とたつの市の近隣の高い山は同じだと思う。同じ山で暮らし
      ていたものが秋になって宍粟市に降りて来たか、たつの市に降りて来たかだけの違いだけです。
そのお答えをお聞きしてホッとしました。
また、講演の中で、「この美しい自然は子孫からの預かりものだ」ということを述べられました。つまり、我
々は、美しいトンボが住める環境を子孫に残す義務があるということだと思います。
その為には、三木露風が詠んだ時代の風景を、我々の代で少しでも取り戻さないといけないと意を新たにした
次第です。
























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テーマ:兵庫県 - ジャンル:地域情報

  1. 2011/03/02(水) 22:21:19|
  2. 小学校と共同
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プロフィール

せいごむ

Author:せいごむ
たつの・赤トンボを増やそう会へようこそ!私たちが住んでいる兵庫県たつの市は、童謡”赤とんぼ”の作詞者・三木露風の生誕の地です。三木露風が北海道で幼い頃の情景を思い出して詠んだのが”赤とんぼ”ですが、最近他の地域同様、赤トンボがかなり減ってきています。そこで、赤トンボを増やし、その昔三木露風が見ていた龍野の原風景を再現すべく、赤トンボを増やそう会を設立し、活動を始めました。皆さんも応援して下さいネ。

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